おはようございます。
本日の日経新聞の一面は「医出づる国(1)新潮流をつかむ」です。
見出しが「病院丸ごと世界に輸出」だったので気になって読んでみました。
医療系の話は私達の将来に密接に関わってくる部分なので知っておいて損はなさそうです。
日本の医療の世界的な立ち位置
まず日本の医療制度の世界的な立ち位置から。
これは聞いたことがある人も多いかもしれませんが、日本の健康水準はかなり良好なものです。
要因としては保険制度の充実が主なところ。
・保険対策の拡充
・国民皆保険の導入で個人負担を軽くする
WHO(世界保健機関)でも2000年に日本の医療制度を「世界一」としていたようです。
ただ、これまた耳にすることも多いですが保険制度は高齢化社会に伴ってバランスがとれなくなってきています。そこで今回のような話になるわけです。
世界へ進出する医療
ざっくりと読んで見るだけでも「へえ」と思う部分がいくつかありました。
・世界の医療市場はここ10年で毎年8%以上の伸びを示している。2010年で520兆円規模。
・日本経済の医療費は年間40兆円に近付いている。(政府側の負担?)
前述の通り、日本国内では保険制度からバランスが崩れているということもあり、世界市場に進出することで成長の糧にしようと考えられているようです。
進出するのは主に新興国。
そして医療機器だけを輸出するのではなく、病院や技術者を輸出することによってサービス向上を測る作戦です。
背景に医療機器だけ輸出をしても世界的な価格競争には太刀打ち出来ないというところがあります。
病院輸出の事例
ロシア:ウラジオストク画像診断センター
カザフスタン:高度がん診断センター
サウジアラビア:透析センター
ミャンマー:日本式総合病院
インドネシア:糖尿病など慢性疾患の総合内科医院
経済産業省に公式資料が掲載されています。
感想
日本の医療制度が恵まれているのはなんとなく感じていましたが、こんな現状になっていたのですね。
医療って非常にセンシティブな部分なので日本のおもてなしの心のようなものも含めて世界にとっても非常にいい広まり方になるのかなと思います。
一方でちょっとどうなんだろう、と思うのは日本の国内の医療人材はかなり不足しているのではないのかということ。
日本の経済的にこういった世界進出の取り組みは必要かと思うのですが、今人材派遣するほど余裕があるのかなとか。
あと医療従事者から見ると、海外の方が病院側のインカムが非常に多いんじゃないかとか(未調査)。
そうなると海外に進出する医療従事者も増えて国内が手薄になったりすることもあるんじゃないかなと心配しています。