(2015/1/12)伊集院静さんのサントリー成人式・新聞広告「むかい風を歩くんだ」

seijin

おはようございます。
本日は広告より。伊集院静さんのサントリー成人式広告「むかい風を歩くんだ」です。

伊集院静さんがサントリーの広告で毎年成人式と四月一日に新聞広告を書いているのはご存知でしょうか。
共に「大人になった人たちへ」というメッセージでお酒の広告を書いています。
(昔は同じく作家の山口瞳さんがこのシリーズをやっていました。リアルタイムで見たことはないですが)

ちなみに2000年からこのシリーズは続いているのですが、これまで(2000〜12年前後)のメッセージは「伊集院静の「贈る言葉」」という本になっています。

これが非常に心に響くんですよね…ということで今回はこの広告コピーを見てみることにします。


 

広告コピー全文

「むかい風を歩くんだ。」

成人おめでとう。

今日からみんな大人だって? そんなはずがない。

一日で大人になれるわけがない。

どうしたら大人になれるかって?

こうだ、という答えはどこにもない。

その上、大人になるには近道もないし、

特急券も売っていない。

まずは家を出て、一人で風の中に立ちなさい。

そうして風に向かって歩き出すんだ。

歩きながら自分は何者かを問いなさい。そうすれば君が

まだ何者でもないとわかる。それでも一人で歩くことがはじまりなんだ。

上り坂と、下り坂があれば、上り坂を行くんだ。

甘い水と、苦い水があれば、苦い水を飲みなさい。

追い風と、むかい風なら、断然、むかい風を歩くんだ。

どうして辛い方を選ぶかって?

ラクな道、甘い水は君たちに何も与えてくれないし、

むかい風の中にだけ他人の辛酸の声が聞えるんだ。

真の大人というものは己だけのために生きない人だ。

誰かのためにベストをつくす人だ。

金や出世のためだけに生きない、卑しくない人だ。

品性のある人こそが、真の大人なんだ。

どうだい? 大人って大変だろう。しかしそうでもないさ。

ひと休みに一杯やれる。さあ大人にむかう君と乾杯。

大人にむかう君と乾杯。
伊集院静

 

感想

いやー、いつ見てもいいですね。

私はこのサイト名の通り既に30は越えてしまっているので世間的にはいい大人だし、成人式の子たちに比べたらもう本当に全然上だったりもするのですが、いまだに生きていて自分の未熟感が堪らない時があります。

こういう文章を読んでいて、疲れた時に酒場でちょっと一杯お酒を飲んで自分をちょっと褒めてあげたい。そんな気分になることもあるものです。
※まあそんなに綺麗に酔っ払うこともないんですけども…

次は四月一日の(一般的な)入社式の時の広告が楽しみです。